乾燥肌からくる全身のかゆみ
乾燥肌から全身のかゆみに至っている人も多くいますが、大きく分けると二種類に分かれます。
一つは皮膚病、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹といった病気から全身のかゆみがある場合です。
もう一つは皮膚病以外のもの、原因が明らかにならず皮膚掻痒症と言われるものです。 これはストレスや薬からの影響等、また感染症からくるものも含まれています。
まず乾燥肌でも起こりうる、かゆみを引き起こす物質がヒスタミンと呼ばれるものです。 強いかゆみを抑える薬に抗ヒスタミン剤と名前があるのも、このヒスタミンという物質に対抗するものだからです。
また肌を掻くと、さらにかゆくなる事や、背中を掻いていると右側だったのに左側もかゆくなるというように激しくなる事があります。 これはかゆいという刺激が掻く事で大脳に伝わり、もっとかゆいという状態を起こしてしまうのです。
原因は様々ですが、いくつか知っておいて生活習慣を見直すきっかけにしてみましょう。 飲酒で体温が上がる事が原因である場合や、入浴の際熱めのお湯やナイロンタオル等での擦り過ぎは皮膚へ刺激を与え全身の乾燥の原因にもなります。
意外に感じるかもしれませんが、汗も原因の一つであり、塩分濃度が高いことはよく知られていますがそれが肌への刺激になってしまいます。 その汗をかいた肌をそのままにしておくと、今度は肌のバリア機能が低下する事で原因の一つになるのです。
現代社会で精神的ストレスを抱えている人は多く、決して安易に考えてはいけません。 脳がストレスを感じてしまうと、神経を伝わり皮膚の神経の末端から神経ペプチドが出ます。
この神経ペプチドがかゆみの原因である物質の、ヒスタミンの分泌を促進してしまいます。 かゆい事がストレスになり、ヒスタミンを分泌させると、さらにかゆくなり悪循環です。
かゆくても掻かない事が大事ですが、わかっていてもなかなか我慢できないのが本音です。 そこで、掻かずに冷やすのも効果的ですから、冷たいおしぼりや保冷剤をタオルで包んで当てるのが良いでしょう。
乾燥肌からくるものなら市販薬や保湿ケアを十分に行って様子をみるのも良いでしょう。 もちろん、それでも治まらない場合、あるいは炎症や掻き傷が起これば皮膚科の受診がおすすめです。